日米間の四つの「密約」を検証している外務省の有識者委員会が近く公表する報告書の概略が3日、分かった。1972年の沖縄返還の際、米軍基地跡地の原状回復補償費400万ドルを日本側が肩代わりする取り決めがあったとされる問題については、米国の公文書や関係者の証言などから「肩代わりの事実があった」と認定。ただ、根拠となる日本側の文書が見つからなかったため、「密約とは断定できない」と結論付ける。
71年に結ばれた沖縄返還協定は、日本政府が米側の財産買い取りのため3億2000万ドルを負担する一方、土地の原状回復のための400万ドルの支払いは米国の義務とすると定めた。
しかし、原状回復費を日本側が負担するとした文書が米国で発見され、当時交渉に当たった吉野文六・元外務省アメリカ局長のイニシャルが記されていた。検証作業の結果、最終的に400万ドルは日本が負担した3億2000万ドルに含まれていた可能性が大きいことも分かり、有識者委は肩代わりは事実だったと判断した。
ただ、吉野氏の署名入り文書は日本側の調査では見つからなかったことから、報告書は関連文書が破棄された可能性に言及する。
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